EXHIBITIONS

ダグ・エイケン 「This Moment is the Moment」

会期:2004年10月9日(土) – 11月13日(土)

タカ・イシイギャラリーでは10月9日(土)から11月13日(土)まで、ロス・アンジェルスを拠点に活躍するダグ・エイケンの “This Moment is the Moment” 展を開催致します。エイケンはロンドンのSerpentine Gallery (2001)、東京オペラシティー・アートギャラリー(2002)やバルセロナのCaixaForum (2004)などを始めとする数多くの個展を開いており、タカ・イシイギャラリーでは4度目の個展となる今回は、互いに関連しつつも個々の存在感を持つ写真、壁に設置されたスカルプチャーの新作を展示・販売致します。

また東京・銀座に10月24日にオープンしたディオール・オムのショップにも “The Moment is the Moment” が内装として展示されています。

“…Our lives today are in perpetual motion. Our bodies float in a landscape of electricity and movement. Our vision of the world is static, a series of frozen moments. The three works in this show are an attempt to bring our vision at speed with the world around us.”

Doug Aitken, 2004
上記のように語るダグ・エイケンの今回の新作は、世界が “静的” 瞬間の連続であるという私達の無意識に対して “速度” というもう一つのキーワードを用いて再認識を迫ります。

今回の展覧会で唯一のスカルプチャーである “This Moment is the Moment” は様々な大きさの鏡のピースがグラフィカルに配置されており、一つ一つのピースは自在に揺れ、無限の反射を作り出します。ディオール・オムのデザイナーであるエディ・スリマンがキュレートした銀座店では部屋全体が作品であるのに対し、タカ・イシイギャラリーで展示される作品はドアの大きさ程にフレームされ(992mm x 1889mm) 壁に設置されたことにより展示されている他の写真作品、ギャラリースペースとの一体感を錯覚させます。

写真作品の中で、風景を “肖像” として表現する抽象的な可能性を追い求めたエイケンは、上空から見た町が視界を超えて広がり、鼓動する光とエネルギーの中に非物質化され、光の固まりにしか見えなくなる様子を “nighttrain” で表現しました。 “maps and cycles (las vegas greyhound station)” はバラバラにされた一瞬一瞬を限られたスペースの中にちりばめ直し、一切の “動” を取り除くことで “待つ” という行為につきものである、一見すれば静寂な瞬間を様々な観点から描写しています。

私達が直線的に捕らえがちな時間の感覚を再確認させるダグ・エイケンの新作を是非御高覧下さいませ。
関連情報: 10月に開館した金沢21世紀美術館の開館記念展覧会で1999年のヴェネツィア・ビエンナーレで国際賞を受賞したヴィデオ・インスタレーション “Electric Earth” が展示されています。また東京・銀座に10月24日にオープンするディオール・オムでも “This Moment is the Moment” が展示されています。