EXHIBITIONS

ディーン・サメシマ 「Young Men At Play」

会期:2005年3月26日(土) – 4月23日(土)

*Subjective Character Analysis, Bob Mizer, Athletic Models Guild
タカ・イシイギャラリーでは3月26日から4月23日まで、ロスアンゼルスを拠点に活躍するディーン・サメシマの”Young Men At Play”展を開催致します。サメシマはロスアンゼルス現代美術館でのグループ展”LA on My Mind: Recent Acquisitions”(2002)、ホイットニー美術館のShamim Momimがキュレーションをした巡回展”Will Boys Be Boys”(2004/2005)や、NYのArtists Spaceでの”Log Cabin”(2005)などに参加しています。また2002年にはヒステリック・グラマーから写真集が発売されています。タカ・イシイギャラリーでの初の個展となる今回は計13点の写真作品を展示・販売致します。

サメシマの作品は米西海岸のコンセプチュアルな写真の伝統に基づいている。Christopher WilliamやStephen Prinaのもとで学んだ若い世代の一員としてコンセプチュアルな言葉をわかりやすい範囲にまで置き換える。彼の構成的/コンセプチュアルな手法として反復、連続性やモチーフの借用などが挙げられる。例えば過去の写真シリーズは一見変哲もない風景や建物の正面の描写であり(実はセクシュアルな行為が行われるような場所なのだが)、ファッション誌上のイメージを撮影したり(理想化された彼自身の投影といえる)、またインターネット上の他人の”セルフポートレート”を借用したりする。彼の作品は写真のイメージとそれらのバックグラウンドを通して彼の個人的な欲求を追求する試みと捉えられることが多い。

今回の展覧会”Young Men At Play”は1960年代にアメリカで不法に出回ったアマチュア雑誌からのイメージ13点のカラー写真が展示されます。この展覧会は形式上それらの雑誌をモデルとしており、その雑誌の中のイメージも、元々どこかにあったものからの”借用”かもしれません。そして廉価な二色刷りだったオリジナルの雑誌のように全ての展示作品はモノクロームでプリントされています。

また、展示作品に加えてロスアンゼルスのギャラリー、Peres Projectsと協力してフリーペーパー形式の展覧会カタログを出版致します。この展覧会とカタログ自身が日本の検閲とアメリカにおける最近の保守的な政治傾向に対するアウトロー的な試みと言えるでしょう。多様化するゲイ文化の中でのアンダーグラウンドカルチャーの存在の主張と探究にある意味で触発されたと言えるサメシマの作品をご高覧下さいませ。