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ダン・グラハム

Installation view a Taka Ishii Gallery, "Wood Grid Crossing Two-way Mirror”, 2010, aluminum, wood, two-way mirror glass, 230 x 400 x 140 cm / photo: KEI OKANO

ダン・グラハムは1942年イリノイ州アーバナ生まれ、ニュージャージー州ウィンフィールド・タウンシップ育ち。50年間、キャリアのほとんどをニューヨークで過ごし、2022年に他界。グラハムの作品は中国・北京のRed Brick Art Museum(2017年)、アメリカ・オハイオ州のクリーブランド美術館(2016年)、フランス・マルセイユのMAMO(2015年)、アメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館(2014年)、オランダ・ティルブルクのデ・ポン財団(2014年)に収蔵され、2009年にロサンゼルス現代美術館で開催された巡回回顧展を皮切りにニューヨークのホイットニー美術館、ミネソタ州ミネアポリスのウォーカー・アート・センターを巡回。また2005年、2003年、1976年にヴェネチア・ビエンナーレに参加したほか、複数のドクメンタ(1997年、1992年、1982年、1977年、1972年)に参加。2010年にニューヨークのアメリカン・アカデミー・オブ・アーツ・アンド・レターズ賞、2001年にパリ市のフランス・ヴェルメイユ・メダル、1992年にニューヨークのスコウヒガン・メダル(ミクストメディア部門)を受賞。日本では、2004年に千葉市美術館で開催された「ダン・グラハム by ダン・グラハム」展が北九州市立美術館を巡回。

グラハムの試みは、国境を越えて他の作家の模範であり続ける。初期のテキストやパフォーマンス作品、映像、トーク、出版物、なかでも特に傑出したシリーズであり、現在も継続して制作されるパビリオン作品は、遊び心をもちながらも、メディアと階級社会のもつ特質の意義について疑問を呈する役割を果たしている。建築や独立系レーベルの音楽など様々な分野のクリエイターとグラハムとの関わりは、拡大する現代文化における試金石となってきた。

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